勤務表の作成を外注(代行)する方法と費用の目安【看護・介護】

この記事の要点
- 勤務表(シフト表)の作成は外注できます。方法は「単発で作成を頼む」「勤務表づくりをまるごと任せる(完全アウトソーシング)」の2つに分かれます。
- 費用の目安は、単発の作成代行で1回5,000〜15,000円程度(主に飲食・小売の相場)、看護・介護の勤務表をまるごと任せる「ほすぴタッチ」で初期費用1チーム30万円+月額1名1,000円です(税別・2026年11月時点)。
- 看護師長などの勤務表づくりには、1回あたり平均8.9時間、着手から第一案まで平均9.3日かかっているという調査があります。外注を比べるときは、この「担当者の時間」も費用に入れて考えます。
- 看護・介護の勤務表は、夜勤の回数や間隔、資格・スキルの組み合わせなど守るべきルールが多いため、医療・介護の勤務ルールを反映できるかが外注先選びのいちばんのポイントです。
「今月も希望休の取りまとめが終わらない」「勤務表を自宅に持ち帰って仕上げている」。看護師長や介護施設のユニットリーダーから、こうした声をよく聞きます。勤務表は「担当者が自分で作るもの」と思われがちですが、作成そのものを外部に任せる(外注する)方法もあります。
この記事では、2014年から国立大学附属病院と勤務表の自動化に取り組んできた「ほすぴタッチ」の運営チームが、勤務表の作成を外注(作成代行・アウトソーシング)する方法と費用の目安、看護・介護の現場ならではの注意点、外注先を選ぶときの確認ポイントをまとめました。
勤務表づくりに、どのくらい時間がかかっているか
看護の現場で勤務表を作っているのは、多くの場合、看護師長や副看護師長です。勤務表づくりにかかる時間については、次のような調査があります。
| 調査 | 主な結果 |
|---|---|
| ある病院の看護師長・副看護師長 | 作成時間は平均8.9時間。うち勤務時間外が平均3.7時間で、回答者全員が時間外に作成。着手から第一案の完成まで平均9.3日 |
| 医療観察法病棟の管理者25名 | 作成に5時間以上かかる人が80.0%、12時間以上が44.0%。36.0%が自宅に持ち帰って作成。68.0%がすべて手書き |
| 一般病棟の看護職 | 作成に5時間以上かかる人が62.0% |
※出典は記事末尾の「参考資料」をご覧ください。調査によって対象や条件が異なります。
時間がかかる理由は、組み合わせそのものより、その前後の作業にあることが少なくありません。現場では、たとえば次のような作業が毎月くり返されています。
- スタッフ全員の希望休・研修・会議の予定を集め、重なりを調整する
- 夜勤の回数や土日の休みが特定の人に偏らないよう、何度も組み替える
- 夜勤にリーダーを務められる看護師が入っているか、新人どうしが組まれていないかを確かめる
- 病院では、入院基本料の施設基準(看護職員の月平均夜勤時間72時間以下など)を満たしているか計算する
- 完成後も、急な欠員や勤務の交換の申し出のたびに作り直す
こうした作業が「その人にしかできない」状態になっていると、担当者が異動・退職したときに勤務表づくりが止まってしまう心配もあります。
勤務表を楽にする4つの方法と費用の比較
勤務表づくりを楽にする方法は、大きく分けて次の4つです。「誰が作るか」と「費用」で比べると、違いがわかりやすくなります。
| 方法 | 誰が作るか | 費用の目安 | 向いている現場 |
|---|---|---|---|
| Excel・紙で作る | 自社の担当者 | 0円(担当者の作業時間がかかる) | 人数が少なく、勤務ルールが単純な職場 |
| シフト作成ソフトを使う | 自社の担当者がソフトを操作 | 製品により異なる。10名未満で月5,000円前後、50名規模で月3万円超のプランもある | ソフトの設定や操作に時間を割ける職場 |
| 単発の作成代行(フリーランスなど) | 外部の作成者 | 1回5,000〜15,000円、継続契約で月2万〜5万円(主に飲食・小売) | 勤務ルールが比較的単純な店舗など |
| 完全アウトソーシング(BPO) | 外部が初期設定から毎月の作成、変更対応までまるごと担当 | 「ほすぴタッチ」の場合、初期費用1チーム30万円+月額1名1,000円(税別) | 夜勤・当直や資格の条件が多い病院・介護施設 |
※シフト作成ソフトと単発の作成代行の費用は、@SOHO「シフト作成代行の費用相場」で紹介されている一般的な目安です。実際の料金は依頼先によって異なります。
単発の作成代行は手軽ですが、相場として紹介されているのは主に飲食・小売の店舗の例です。夜勤や資格の条件が多い看護・介護の勤務表は、次の章のような専門的なルールを理解しているかどうかで、仕上がりと手直しの量が大きく変わります。3つのタイプの違いは、シフト作成ソフトの選び方(3タイプの比較表)でもくわしく比べています。
「ほすぴタッチ」の場合
勤務表の作成をまるごと引き受ける、日本初の完全アウトソーシング(BPO)型のサービスです。初期設定から毎月の作成、人の出入りや勤務ルールの変更への対応までを当社が行い、まるで出前のように、完成された勤務シフト表が毎月届きます。
看護・介護の勤務表を外注するときの注意点
看護・介護の勤務表には、飲食や小売のシフトにはない条件があります。外注先には、少なくとも次のようなルールを反映してもらう必要があります。
- 勤務の種類:2交替(日勤・夜勤)、3交替(日勤・準夜勤・深夜勤)、当直、早出・遅出など
- 夜勤の回数と並び:月の夜勤回数の上限、連続夜勤の回数、夜勤のあとの明けと休み。日本看護協会のガイドラインでは、勤務間隔11時間以上、夜勤の連続は2回まで、などの基準が示されています
- 人の組み合わせ:夜勤にリーダーを務められる看護師を入れる、経験の浅い看護師どうしを組まない、資格(看護師・准看護師・介護福祉士など)ごとの必要人数
- 制度上の基準:病院の入院基本料の施設基準(月平均夜勤時間など)、介護施設の夜勤の人員配置基準
- 一人ひとりの事情:育児・介護中の夜勤免除や時短勤務、夜勤専従、非常勤スタッフの勤務できる曜日
- 病棟・ユニットごとの決まりごと:書面になっていない「暗黙のルール」も含めて伝える必要があります
また、勤務表の作成を外注しても、勤務表を確定させる責任は施設側に残ります。完成した勤務表を看護師長などが確認・承認する流れを、あらかじめ決めておきましょう。勤務表の具体的なルールは看護師の勤務表の作り方(2交替・3交替の基本ルール)でくわしく解説しています。
「ほすぴタッチ」の場合
組織独自の複雑で特殊な勤務ルールでも、AIと数理モデル(特許第7324260号)で自動作成します。担当者の頭の中にあった「暗黙のルール」は、ヒアリングで当社が言葉にして設定するため、担当者が異動・退職しても勤務表づくりが止まりません。1組織で2万名規模の運用実績があります。
勤務表の作成を外注する流れと準備するもの
- 相談するいまの勤務表の作り方や困りごと、スタッフの人数、勤務の種類(2交替・3交替・当直など)を伝えます。
- 勤務ルールを伝える勤務の種類と時間帯、日ごとの必要人数、夜勤回数の上限、資格・スキルの組み合わせ、希望休の扱いなどを伝えます。担当者の頭の中にあったルールを言葉にする作業でもあります。
- サンプルの勤務表で確かめる外注先が作ったサンプルを見て、ルールの追加や修正を何度かやり取りし、勤務表の精度を高めます。
- 本番の運用を始める毎月、スタッフの希望を集め、完成した勤務表を受け取って確認・承認します。
- 変更や欠員に対応してもらう人の出入りや勤務ルールの変更、急な欠員による作り直しを依頼します。
依頼する前に準備しておくもの
- 直近2〜3ヶ月分の勤務表(実際に使ったもの)
- スタッフの一覧(常勤・非常勤、資格、経験年数、夜勤の可否と上限回数、リーダーの可否)
- 勤務の種類と時間帯、曜日ごとの必要人数
- 病棟・ユニットの決まりごと(書面がなければ、勤務表を組むときに気をつけていることのメモ)
- 希望休の受け付け方と締め切り、4月の人事異動や新人の夜勤開始時期などの年間予定
「ほすぴタッチ」の場合
オンライン相談(無料)は平日毎日10:00~22:00に開催しています。勤務ルールはヒアリングシートでうかがい、初期設定は当社が行います。スタッフはスマホから希望を提出でき、勤務ルールの追加・変更は数日以内で対応します。くわしくは導入までの流れをご覧ください。
費用の目安と試算例(「ほすぴタッチ」の場合)
看護・介護の勤務表の作成代行は、見積り制で料金を公開していないサービスも少なくありません。ここでは、料金を公開している「ほすぴタッチ」を例に、費用の内訳をご紹介します(2026年11月時点、いずれも税別)。
| 費用 | 金額(税別) | 内容 |
|---|---|---|
| 有償トライアル | 1回 ¥100,000 | 最大4ヶ月間。1法人さま・1チーム(100名さま以内)・1回まで |
| 初期費用 | 1チーム ¥300,000 | 本番導入時に1回。1チーム30名さま以内。初期設定は当社が代行 |
| 月額費用 | 1名さま ¥1,000 | 毎月の勤務表の作成に加え、人の出入りや勤務ルールの変更対応も含む |
※複数チームや30名さまを超える場合、標準機能に対してカスタマイズが発生する場合は、別途お見積りとなります。くわしくは料金・費用をご覧ください。
試算例:スタッフ30名の病棟1チームの場合
- 初期費用:¥300,000(本番導入時に1回)
- 月額費用:¥30,000(30名さま × ¥1,000)、年間で¥360,000
- 1年目の合計:¥660,000、2年目以降:年間¥360,000(いずれも税別。有償トライアルを利用する場合は別途¥100,000)
比べるときは「担当者の作業時間」も費用に入れる
Excelで作れば費用はかからないように見えますが、担当者が毎月勤務表づくりにかける時間も、見えない費用です。たとえば、先の調査の平均に近い月9時間を、時給換算5,000円の看護師長がかけているとすると、1つの病棟だけで月45,000円、年54万円に相当します(仮の数値による試算例です)。希望休の調整や作り直しの時間を加えると、実際はさらに大きくなります。
また、お金に換算しにくい負担もあります。勤務表を自宅に持ち帰る時間が減れば、看護師長や主任がその時間を患者さんのケアやスタッフの育成、自身の休息にあてられます。
「ほすぴタッチ」の場合
導入したお客さまからは「1ヶ月かかっていた作成が、チェックも含めて2時間で完了するようになった」(国立大学・救命救急)、「4〜5名で2週間以上かかっていた作成が、チェックも含めて3時間で完了するようになった」(放送局)という声をいただいています。
外注に向いている現場・向いていない現場
| 外注に向いている現場 | 自分たちで作るほうが合う現場 |
|---|---|
| 夜勤・当直があり、勤務ルールが複雑 | 日勤のみで、勤務の種類が少ない |
| 勤務表を作れる人が特定の1〜2名しかいない | 複数の人が無理なく作れていて、時間もかかっていない |
| 作成に毎月数日〜数週間かかり、時間外や持ち帰りが多い | スタッフが数名で、毎月の作成が1〜2時間で終わる |
| 急な欠員や人の出入りが多く、作り直しが頻繁 | 勤務の変更がほとんどない |
外注先を選ぶときの確認ポイント
- 医療・介護の勤務表の実績があるか:2交替・3交替、当直、夜勤の基準などを理解しているか、同じ業界の導入事例があるかを確認しましょう。
- 自社の勤務ルールをすべて反映できるか:病棟・ユニットごとのルールや「暗黙のルール」まで、サンプルの勤務表で確かめられると安心です。
- 変更や急な欠員に、どのくらいの速さで対応してくれるか:作り直しにかかる日数と、追加料金の有無を確認しましょう。
- 料金に含まれる範囲:初期設定、勤務ルールの変更対応、作り直しが月額に含まれるのか、別料金なのか。修正の回数に上限があるかも確認します。
- 個人情報の取り扱い:スタッフの氏名や勤務の情報を預けるため、委託先としての管理体制(セキュリティの方針、通信の暗号化、アクセス管理など)を確認しましょう。個人情報保護法でも、委託先を適切に監督することが求められています。
- 確認・承認の流れ:完成した勤務表を誰がいつ確認し、確定させるのかを決めておきます。
- 試してから決められるか:自社の実際の条件で、サンプルやトライアルを確かめられるかどうか。
「ほすぴタッチ」の場合
組織独自の複雑な勤務ルールでも、AIと数理モデル(特許第7324260号)で自動作成します。勤務ルールの変更対応は月額費用に含まれます。情報セキュリティについてはセキュリティガイドラインを公開しています。導入チーム数は100チーム以上、利用者数は30,000名を突破し、継続率は98%以上です(2025年調べ)。
参考資料
- 中村幸恵・永吉雅人・渡辺沙織「A病院における、勤務計画表作成の現状把握―メンバーシップの視点から―」(PDF)
- 安達寛人ほか「医療観察法病棟管理者の勤務計画表作成における所要時間と支援の認識に関する実態調査」日本精神保健看護学会誌 Vol.30 No.1、2021年(PDF)
- 公益社団法人日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」(2013年)
- @SOHO「シフト作成代行の費用相場」(記事)
よくあるご質問
勤務表(シフト表)の作成は外注できますか?
できます。単発で作成を頼む方法と、初期設定から毎月の作成、変更対応までをまるごと任せる完全アウトソーシング(BPO)があります。看護・介護の勤務表は夜勤や資格の条件が多いため、医療・介護の勤務ルールを反映できる依頼先を選ぶことが大切です。
勤務表の作成を外注する費用はどのくらいですか?
単発の作成代行は1回5,000〜15,000円程度、継続契約で月2万〜5万円程度が一般的な目安です(主に飲食・小売)。看護・介護の勤務表をまるごと任せる「ほすぴタッチ」の場合は、初期費用が1チーム(30名さま以内)¥300,000、月額費用が1名さまあたり¥1,000です(いずれも税別・2026年11月時点)。スタッフ30名さまの1チームなら、月額は¥30,000です。
看護師長は勤務表づくりにどのくらい時間をかけていますか?
ある病院の看護師長・副看護師長を対象にした調査では、作成時間は平均8.9時間、着手から第一案の完成まで平均9.3日で、回答者全員が勤務時間外にも作成していました。医療観察法病棟の管理者の調査では、80.0%が5時間以上、36.0%が自宅に持ち帰って作成していました。
勤務表の作成を外注すると、担当者の仕事はなくなりますか?
担当者の作業は、完成した勤務表の確認・承認が中心になります。勤務表を確定させる責任は施設側に残るため、確認の流れは決めておきましょう。「ほすぴタッチ」では、スタッフや勤務ルールの初期設定、毎月の勤務表の作成、人の出入りや勤務ルールの変更への対応を当社が行い、スタッフの希望はスタッフ自身がスマホから提出できます。
シフト作成ソフトと外注(作成代行)は、どちらが向いていますか?
ソフトの設定や操作に時間を割ける職場ならシフト作成ソフト、勤務ルールが複雑で担当者に時間がない、作れる人が限られている職場なら外注が向いています。費用はソフトのほうが安く見えることが多いですが、担当者の作業時間も含めて比べることをおすすめします。
急な欠員が出たときも対応してもらえますか?
依頼先によって異なるため、作り直しの日数と追加料金の有無を契約前に確認しましょう。「ほすぴタッチ」では、ご連絡を受けてサポートチームが勤務表を作り直します。対応は数日以内です。
導入までどのくらいかかりますか?
「ほすぴタッチ」では、サンプルの勤務表を何度かやり取りして精度を高めるため、約3〜4ヶ月程度を見込んでください(救命救急の事例では2ヶ月でした)。初期設定は当社が行います。